2019年11月

言い値がいいね!

ブツ撮りの値段交渉

「ブツ撮り」と言われる商品撮影ですが、ジャンルとしてはコマーシャル写真です。

写真の目的は被写体をより魅力的に見せて購買意欲をそそるものでなければいけません。

撮影の報酬は、購入した方からではなくその商品を販売する方からいただきます。当然ですが。

消費者の購買意欲をそそる写真がベストであるはずなのですが、例え消費者の購買意欲をそそらない写真でも依頼者が望むものであればOKだという現実もあるわけです。

 

依頼者はその商品の開発に時間と労力を惜しみなく注ぎ込んでいるので商品に対するこだわりが強くなります。

こだわりが強すぎると、だんだん消費者の購買意欲をそそるポイントとはズレてきてしまうこともあるみたいです。

 

依頼者の要求を満たすもので、尚且つジャンジャン売れていく写真が撮れるといいのですけどね。

 

言い値で行っちゃえ!

商品撮影には教科書のようなものもありますが、使うレンズや絞り値、光源の角度・距離・面積・光量や背景の処理の仕方や影の付け方など人それぞれですので、

どう撮るかはカメラマンに委ねられます。

簡単そうな撮影だからと思ってあまり安価で引き受けると大変なことになります。

 

ヤバイなと感じた時は無理せず断る勇気も必要です。

 

GFX50Sが欲しいこともあり、今回は思い切って提示した金額が受け入れられ、無事満足していただけました。

まだまだ商品は残っていますが、ひとまず安心です。

 

ビールで乾杯しようと思います。

岐阜で料理撮影

岐阜で料理撮影

近頃は料理専門のカメラマンかというくらい料理の撮影の依頼をいただいております。

お弁当、フレンチ、寿司、会席、居酒屋、焼肉などいろいろお邪魔しております。

居酒屋のメニューは1品づつの撮影が多いです。

そんな時は、ソフトボックス1灯のライティングが最適かなと落ち着いています。

手前に落ちる影をレフ版の距離で調節するのですが、インスタ流行りのせいか最近の料理写真の傾向が影をしっかり付けた方が好まれることが多いので、レフ版は使いませんでした。

このセッテイングなら、こんな狭い場所でも撮影できます。

しかし、後半で「ここからは切り抜きで使います」と言われて、急遽手前からもう1灯ソフトボックスを入れて絞り込んで撮影しました。

高みを目指す

現在、ニコンD810の35.9×24.0mmの3709万画素CMOSセンサーでなんら問題はないので撮影の仕事をこなしていけるわけですが、

中判フォーマット43.8×32.9mmの5140万画素CMOSセンサーのFUJIFILM GFX 50Sに心が揺らいでいます。

レンズ込みで100万円ほどの製品ですので、グッとこらえてはいますが、この大きなセンサーで料理を撮るとどうなるのか是非見てみたい。

しかも58,000円のビューカメラアダプターを装着すればアオリ撮影も可能。フジノン大判カメラ用レンズはオークションで数万円で手に入ります。

100万円ほどの投資をして料理写真や商品写真のクォリティを上げるか、現状の機材でこなすか。

結局はいただける報酬によるわけですが。

悩みどころ

先日話した若手カメラマンさんは、iPhone11の優れたカメラ機能を効果的に使えば静止画も動画も非常に消費者に向けて満足感が得られる商品がいくつも提供できる、と教えてくれました。

確かに、スマートホンを利用する様々なサービスは目覚ましいスピードで開発されていっていますが、「撮影する技術」を売り物にしているプロカメラマンがそれを躍起になって追いかけていくことにこの仕事の将来があるとはどうしても思えません。

「撮影する技術なんか無くてもこんな写真が撮れますよ」「高額な機材なんか無くてもこんな動画が撮れますよ」…。

ということは、プロカメラマンに頼む必要はありませんよってことになりますよね。仮に頼むとしても素人でもできることだから安くやってねってことになりますね。

これからカメラマンを目指す人や機材にお金をかけられない人はそういう方向で行くしかないのかもしれません。

センサーサイズで勝負

ミラーレスやスマホは小さいセンサーの範囲内でできることを開発していきます。それがブロガーやユーチューバーにとっては最大のメリットとなるわけですが、料理写真、商品写真、ポートレート、竣工写真などは大きいセンサーサイズのメリットを活かせるのではないかと思います。

画素数の多さではなく、センサーの大きさのことですからね。お間違えなく。

岐阜のカメラマンと情報交換

同い年のカメラマン

今日は幼稚園の子供達と一緒に岐阜城の登山に行きました。

この写真の下の部分には園児たちが並んでいる集合写真となっています。ですので中途半端なトリミング。

3クラスを1人で追いかけるのはとても無理ですのでカメラマンは2人体制。

2人でも非常に過酷な撮影となりました。

もう1人のカメラマンさんは僕と同い年で穏やかな優しい方でした。

彼がカメラマンになる前に、僕の撮影の仕事の時に同席していたとのことで、失礼ながら僕は記憶がなかったのですが、彼は僕のことを覚えてくれていたようです。

その後、カメラマンに転身し今に至るとのことでした。

主に七五三、成人式、婚礼、イベント、マラソンなどを撮影しているそうです。

礼儀正しく、園児のうけも良く、人物相手を得意とするプロのスナップカメラマンという感じです。

まだまだ仕事があるので現時点では結婚もして平和に暮らしておられるようでした。

若手カメラマン

幼稚園の撮影後に以前お手伝いした仕事の報酬を受け取りにメディアコスモスのスタバで若手カメラマンと合流。

彼も婚礼や恋人、学校関係やイベントの撮影を仕事にしている若いカメラマンです。先日結婚した新婚さんです。

彼はとにかく人が好きで、人と関わるためのアイテムとしてカメラを始めたようなカメラマンです。

彼は婚礼やイベントの撮影がメインですので、どうしても撮影後の写真選びやアルバム制作に時間を取られてしまいます。

しかもその作業時間に対する報酬はほぼゼロに等しいのが現状です。

この問題をITの技術で解決できないかを探っているそうです。

もし、iPhone11での撮影が認められるのであれば、今でもできることはたくさんあるそうです。顔認識の機能、焦点距離を選べる機能、白飛び黒つぶれを軽減するHDR機能、手振れ補正機能など静止画にもムービーにも嬉しい機能がたくさんあるようです。

確かにいろいろな機能を見せてもらいましたが、どれもクォリティが高く、誰でもプロっぽい映像が簡単に得られます。

だとしたらもうスナップしか撮れないプロカメラマンなんて必要ないんじゃないのって思えてきます。

一眼レフで撮るよりもiPhone11で撮ったものの方が仕上がりが良く、撮影後の編集能力にも優れているならプロカメラマンに高いお金を払って頼まずに手の空いた人にiPhone11渡して適当に撮っておいてって感じになるでしょうね。

結論からすると、学校関係、七五三、婚礼、イベント、成人式あたりの撮影はiPhone11で誰でも撮影できる。動画も静止画も。アルバム制作や動画編集もアプリでバッチリ。

一眼レフが必要な撮影は、料理、商品撮影、スポーツなどやや特殊なレンズが必要なものや、ポスターやカタログなどの印刷物に使うための高解像度のものなどに絞られてきそうです。

アナログ世代とデジタル世代

現時点で39歳以下はデジタル世代、40歳以上はアナログ世代ということになるそうです。

我々アナログ世代は、どうしてもアナログ時代に培ってきた経験や学んだ技術を拠り所としてしまいますが、

デジタル世代の人たちはやっぱり柔軟ですね。

「今は無くても数年後にはこういうものが開発されるから今はこれをやっておくんだ」という、なんとも地に足のつかないフワフワした話を真剣にできるんですね。

羨ましいです。