スタッフブログ

ニコマートFTN

ニコマートの仕様

発売 1967年10月
製造中止 1975年
形式 露出計内蔵35㎜フォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ
レンズマウント ニコンFマウント
シャッター 上下走行式メタルフォーカルプレーンシャッター
シャッター速度 B、1、1/2、1/4、1/8、1/15、1/30、1/60、1/125、1/250、1/500、1/1000秒
ファインダー ペンタプリズム使用アイレベルファインダー マイクロプリズム式距離計内蔵 マット面とフレネルレンズ使用
ファインダー視野率・倍率 約92% 50mm標準レンズ使用で無限遠の場合、約0.86倍
ミラー クイックリターン式
絞り込み ボデー上部の絞り込みボタン
巻き上げ レバー式 1作動 155度 露出計回路用スイッチと連動
コマ数計 自動復元順算式
巻きもどし クランク式
シンクロ接点 MおよびX接点 1/125秒以下の低速においてスピードライトに同調
露出計 中央部重点測光 シャッター速度と絞りに両連動する定点式CdS露出計(TTL方式) 水銀電池1.3V1個使用

130603-0001

 

マディソン郡の橋

ニコマートFTNはニコンFの廉価版という位置づけのようです。個人的にはニコンFより使いやすいと思います。小説「マディソン郡の橋」でロバートキンケードはニコンFに50㎜レンズと24㎜レンズを付けて橋の撮影をしていました。ついでに不倫相手の女性も撮っていました。映画ではクリントイーストウッドが演じていましたね。かっこよかったです。ロバートキンケードはナショナルジオグラフィックからの依頼でマディソン郡にある幌つきの橋を撮影していたそうですが、ナショナルジオグラフィックにはロバートキンケードというカメラマンは所属していないとのことですのであくまでも小説の話のようです。映画 ではカメラのことにはほとんど触れていませんが、小説ではニコンのカメラのことが詳しく描写されていました。僕がニコンを使っているのもロバートキンケードの影響です。

僕が写真を撮り始めた当時は既にニコンF5が登場していていましたが、そんな高額なカメラを持てるわけもなくニコンF3で手を打つことにしました。レンズは勿論50㎜と24㎜。このセットでロバートキンケードになりきっていました。

130603-0002

マニュアルカメラのいいところ

マニュアルフォーカスのカメラでは先に構図を決めて、ピント合わせはその後になります。オートフォーカスカメラの場合はフォーカスロックが使えるためピントを合わせた後フォーカスロックしてから構図を決めるという順番になります。構図を最初に強く意識することになるマニュアルフォーカスカメラは構図の上達には最適だと思います。構図を考える癖を付けてしまえばフォーカスロックを使ってもちゃんと構図を整理できるようになります。

その後ニコンF4を使うようになってからはF3の出番はほぼ無くなり手放してしまいました。さらに最近はデジタルカメラを使うようになってしまったためF4も手放してしまいました。デジタルは撮影後にフォトショップなどのレタッチソフトでトリミングや角度調節ができてしまいますので構図のことはほとんど意識しなくなっていました。そしてあるとき気が付きました。『完全に構図が下手くそになっている!』ということを。

130603-0003

このままではまずいと思い、マニュアルフォーカスカメラをもう一度手に入れることにしました。そこで白羽の矢が立ったのがこのニコンFTNです。普及機なだけあって中古でも探せば程度の良いものが見つかります。このようなマニュアルカメラの場合は見た目が綺麗でもシャッタースピードが狂っていて安くなっていることがあります。購入前に腕時計の秒針で低速シャッターの精度を確認しなければいけません。腕時計を忘れた場合は、1秒=「おじーちゃん」、 1/2秒=「おばちゃん」と口に出して言うとある程度正確さが確認できるそうです。

幸い程度も良く僕の好きなブラックボディが手に入りました。これでも3件くらいの中古店をはしごしての購入です。ネットのオークションでも近頃は信頼できるようになってきているようですが…。